アメリカにとって大統領選挙のベストシナリオとは

 

木鶏と討論会とコロナと

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

“木鶏(もっけい)”という言葉があります。
中国の古典「荘子」の中の言葉です。

 

 

闘鶏を育てる名人が、10日ほど育てた時点で
王からの状況の質問に答えたそうです。

 

「空威張りしていて闘争心があるのでまだまだです」

 

さらに10日して、王に状況をきかれ、また答えました

 

「まだまだです。他の闘鶏をみていきり立っています」

 

また10日して同じく答えました。

 

「声こそギャーギャーいわなくなりましたが、
 目を使って己を誇示しています。まだまだです」

 

そうして、また10日。

 

「もうよいでしょう。他の闘鶏を相手にしません。
 木鶏のように、この徳にかなう闘鶏はいないでしょう。」

 

実際、その木鶏は圧倒的に強かったそうです。

 

 

伝説の横綱、双葉山が、69連勝をして、70連勝にならなかったとき、
この言葉を教えた陽明学者 安岡正篤にこう電報を打ったそうです。

 

「未だ 木鶏たりえず 双葉」

 

立派で徳の高い横綱です。

 

 

「力のある者は決して騒がない。
 力のある者ほど無言のまま働きかける」

 

これは、シュヴァイツァー(1952年ノーベル平和賞)の名言です。

 

 

こうした古典や名言を知ると、
今回の米大統領選の討論会はこれと対局にある内容に見えました。

 

ただ、もしかすると、しばらく討論会は
もうできない可能性も出てきました。

 

 

10/1(木)に、トランプ大統領の側近、ヒックス氏の、
新型コロナウイルスへの感染が公表されましたが、
トランプ大統領夫妻にも陽性反応が出て、
自主隔離した、と発表されました。

 

報道から判断する限りは、大統領はPCR陽性ではあるものの
症状はない、という報道に思えます。

 

 

さて、いくつかの場所ではこの話をしたのですが、

 

「米国の経済を考えると共和党が良く、
 しかし外交を考えるとトランプ大統領ではダメだ。
 すなわち、米国の大統領選は、トランプ大統領が
 なんらかの理由で出馬を取りやめる状況になり、
 ペンス副大統領が出馬を表明するのがベストである」

 

人望の高いペンス大統領は、バイデン候補相手に
有利に選挙を戦えるでしょう。

 

共和党候補として指名を受ける必要がありますが、
現在 副大統領なので、トランプ大統領が降りる場合、
立候補すると自動的に共和党候補に指名されます。

 

にわかに、この話が現実味を帯びてきました。

 

 

西側主要国の中ではジョンソン首相も今年3月、
新型コロナにかかり高熱を出しましたが割と短期で回復しました。

 

国家が総力を挙げたのでしょうし、56才と若かったこともあるでしょう。

 

 

しかし、トランプ大統領は74才

 

なお、この報道で、米国の主要な株価指数先物は前日比1.5%以上下落し、
平均株価も150円程度安く終わりました。

 

FXレートでは、ドル円が下落(0.4%円高)しました。

 

ユーロはほぼ動かなかったところをみると、
リスクオン時の円高の方向にわずかに進んだというところです。

 

本来は、アメリカ株も、ドルも、買われてしかるべきニュースです。

 

 

まだ、症状が出ていないようなので、おそらく自主隔離ののち、
しばらくして無事執事に戻ってくるものと思いますが、
世の中、まだまだ、なにが起きるかわかりませんね。

 

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚