米中の貿易戦争がビジネス戦争へ拡大
ビジネスにまで拡大した米中対立
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
中国と米国の争いは、少しづつ規模が大きくなってきました。
昨年までは、単純に貿易だけだった。
それまでも、著作権を自由に盗むという問題はあったが、
実際の効果はさておき、法律的にはすでに整備されていて、
表面上は中国は対応したことになっています。
今年に入り、新型コロナウィルスの問題にくわえ、
香港の独立性がなくなる問題が加わり、
さらに東シナ海のくすぶっている問題も加算されて、大いにもめ始めました。
香港に関しては、英国と中国との約束なのだから、英国も大いに関係が深い。
8月に入り、米中双方が領事館を閉鎖し、非難しあっています。
領事官は、領事をトップとして、地方における交流活動やビザ発給を行う。
ウィーン条約によって、不逮捕特権もあるし、領事館も治外法権が与えられています。
領事館を単純化すると、大使館の地方支店ですので、地方にいくらでもあります。
一方、大使館は、ひとつしかない。いわば本店です。
だから、領事館を閉鎖しあっている間は、茶番でしかないと言えます。
もう一段掘り下げた戦いも始まりました。
アメリカ政府は、TikTokによる国家安保上のリスクを懸念し、
陸海空軍、海兵隊と湾岸警備隊に対して政府支給端末での使用を
既に2019年末から禁止している。
TikTokの買収を米国企業に対して禁止する方針も明らかにしました。
なぜ米国がtiktok程度のアプリを敵対視するかというと、
おそらく、国家安保上の理由というのは表向きで、実際の理由は
「中国政府は、中国国内でのTikTok投稿者はすべては検閲対象であり、
人権を無視している事、さらに、海外で運用するTikTok利用者に対しても、
例えばウィグル人弾圧を批判するTikTok動画のアカウントを削除している
ことなどだろう。」
米国での事業は、現状の中国経営である限り
Tiktokに対して認めないと大統領は発言しており、
事実上、マイクロソフトへの譲渡を即した格好になっている。
しかも、買収を交渉していたマイクロソフトに対しては、
買収を許可する代わりに、米財務省に分け前をよこせという発言が8月4日にあり、
米国内でも物議ものになっていて、これはこれで面白い。
Tiktokは、世界で10億人のアカウントをもっており、
マイクロソフトにとって、グーグルに対抗する効率の良い投資になるはずです。
インドでも、政府が同様の理由で使用を禁止した。
日本でも、自民党の議員連盟は中国初のアプリ利用を制限を提言しようとしている。
これに対し、中国政府は、ビジネスを搾取することは許さないと発言し、
対抗措置をチラつかせています。
米中の、もう一段進んだ争いは、このビジネス戦線の延長になると思います。
つまり、
米国で事業をしている中国企業の権利はく奪
対抗して
中国で事業をしている米国企業の権利はく奪
この消耗戦になるように感じる。
こうなると、大統領選を控えているトランプ陣営はかなり窮地に追い込まれる。
これを打破するには、2つのシナリオがある。
ひとつめは、東シナ海で、排他的経済水域が定まっていない地域で
中国が進める人工島建設をトマホークで木っ端みじんにすることがまず考えられる。
トランプ大統領は、2017年、習近平主席とのディナーの場で、
先ほどシリアへ59発のトマホークをお見舞いした、と驚くべき発言をしたこともあり、
それに比べると問題はないと言えます。
どうせ誰も住んでいないし、国際法的には誰のものでもありません。
ちなみに、その時習近平主席は、
『幼い子供や赤ん坊に対して化学兵器を使ったやつなら仕方がない』
と言ったらしいです。
今回は、
「米国の自由航海の障害物になるうえ、中国がきらいなやつなので仕方ない」
と言えるでしょうか。
もうひとつは,ファイブアイズ、EU、日本を含むアジア、
中南米を含む南北アメリカ大陸の国々と皆で示し合わせて、
赤信号を渡ることです。
赤信号とは、台湾を国家として認める、ということを、
皆で手をつないで同時に行うことである。
中国が最もされたくないことですね。
人を怒らすには、その人がもっともされたくないことをする事。
ここまでくると、子々孫々まで続く醜い争いにつながる恐れがあります。
そこに踏み込むかどうか、米国大使館をテルアビブかエルサレムに移したことを
なんとも思わない大統領であるから、どう判断するかはわかりません。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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