シルク・ドゥ・ソレイユ破綻から見る経済への影響
投資家としては想定しておくべきこと
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
シルク・ドゥ・ソレイユが破産しました。
シルク・ドゥ・ソレイユは、直訳すると太陽サーカスです。
日本では、そのままサーカスと紹介されることが多いのですが、
ゾウとかライオンのような動物を使いません。
オペラ、ポップスの要素を取り入れた、現代の総合芸術です。
極限まで鍛えぬいた人間だけが出演し、
オリンピックのメダリストを多数かかえていました。
昨年までは、ラスベガスとディズニーリゾートを中心に
常設の公演を8つ行っていました。
さらに、大型客船(MSCクルーズ)でも常設劇場で
毎日ショーをしていました。
2011年まで、浦安のディズニーリゾートでも
ZEDという公演をしていたので、
日本でもなじみのあるカナダのサーカスです。
今回のウィルスのおかげで、3月にスタッフ95%を解雇し、
破産申請の検討に入っていましたが、ついに破産したというニュースです。
これは、かなりシンボリックです。
公演でビジネスを成立させている企業は数多くあります。
劇場、ライブハウス、ライブを企画実行する事務所、歌手、俳優。
ブロードウェイの大手。
日本だと、宝塚、劇団四季、などは全て該当するでしょう。
歌劇場、交響楽団は、国立、州立、市立であれば
税金で成り立っていますが、私立の団体はへたすると全滅です。
公演ができない時期が長引き、今後公演を再開するにしても、
新しい生活様式では全席を満席にすることはできません。
たぶん、満席=昨年までの半分の人数になります。
一回の後援にかかるコストは変わらないので、
利益はあまり出なくなります。
米国におけるエンタメ産業で、ライブ関連のビジネスは300億ドル。
スポーツを入れると1000億ドル、ざっと10兆円規模になります。
(IBIS,RIAA,PwCなどの公開データからTrioAM推計)
巨大なビジネススケールです。
こうしたビジネスがなくなっても、困らない人はいるかもしれませんが、
あまりにシンボリックであるために、人々のセンチメントは確実に悪化します。
相場には、ボディブローのように効いてきます。
しかも長期にわたって。
今後、このようなニュースが増えてくるのではないでしょうか。
そうならない事を期待しますが、そうなることを想定しておくことも
また、投資家としては必要なことでしょう。
幸い、シルク・ドゥ・ソレイユについては
出資者であるファンド、カナダのケベック州投資公庫は
再生に向けた資金の投資に合意しており、
カナダ政府も負債を引き受けるようで、存在はなくならないようです。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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