米ドル紙幣の本当の役割について

 

 

米政府も持っていない連銀の株主の正体

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

皆さん、FEDというものをご存知でしょうか?

 

ふぇど、フェド、FED。

 

 

FEDとは、米国の中央銀行に関連する言葉で、銀行そのものではなく、
「制度」のことをいいます。

 

日本語では連邦準備制度

 

Federal Reserve SystemのFederalを略してFED(フェド)と呼ばれており、
FRSともいいます。

 

FEDとFRS、ちょっとややこしいですが、FED最初の3文字をとった略称。
FRSは頭文字をとった略称ですね。

 

どちらでもいいのですが、この記事ではFEDで話を進めていきたいと思います。

 

 

この連邦準備制度は、いくつかの組織をまとめたもので、以下のようになっています。

 

 

 

ちなみに、ドル紙幣は、12ある連邦準備銀行の『どこか』が発券しています。

 

ご存知の通り、ドル札には、肖像があります。

 

そして、その肖像の左にアルファベットがあるのですが、
その文字で発券銀行が区別できます。

 

もし手元にあれば、ぜひチェックしてみてください。

 

A:ボストン連邦準備銀行(マサチューセッツ州)
B:ニューヨーク連邦準備銀行(ニューヨーク州)
C:フィラデルフィア連邦準備銀行(ペンシルベニア州)
D:クリーブランド連邦準備銀行(オハイオ州)
E:リッチモンド連邦準備銀行(バージニア州)
F:アトランタ連邦準備銀行(ジョージア州)
G:シカゴ連邦準備銀行(イリノイ州)
H:セントルイス連邦準備銀行(ミズーリ州)
I:ミネアポリス連邦準備銀行(ミネソタ州)
J:カンザスシティ連邦準備銀行(ミズーリ州)
K:ダラス連邦準備銀行(テキサス州)
L:サンフランシスコ連邦準備銀行(カリフォルニア州)

 

 

勘のいいひとは気づいたかもしれませんが、
発券銀行の地域がサンフランシスコを除き西側がありません。

 

もっと言えば、あまり認知度の高くないミズーリ州という州に2つもあります。

 

 

この理由は、1913年当時の、経済の力が関係しているとされます。

 

米国の紙幣…要するに米ドル紙幣は、連邦準備券(federal reserve note)と呼びます。

 

これも、もし手元に米ドル紙幣があれば確認してみてもらいたいのですが、
紙幣の表に Federal Reserve Note と印刷されています。

 

noteとは債券のこと。

 

※連邦準備法16条(債券)種類は連邦準備法で規定され、様式は財務長官の指図による

 

 

つまり、ドル紙幣は、正確には

 

『連邦銀行が、政府に貸した『債権証書』のこと』

 

なのです。

 

アメリカ政府が発行する債券(国債)を担保にしています。

 

 

また、ドル紙幣の裏面には、『In God We Trust』(我々は神を信じる)
と書かれています。

 

いってみれば、これは小口の債権証書(FRBの社債)です。

 

 

これほど重要な銀行の株式を、実は米国政府は一株も所有していないのです。

 

では、株式は誰がもっているのでしょうか?

 

 

なんと、株式を所有しているのは「大手銀行」です。

 

そして、民間銀行と同様に、利益を配当として株主に分配します。

 

今回の記事は豆知識的な内容になっていますが、
知っていて損をする内容ではないので頭の片隅にでも覚えておいてみて下さい。

 

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚