コロナショックの第二波の威力をシミュレーションしてみる

 

 

赤字で運営し続ける油田

 

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

5月13日に、パウエルFRB議長が、ネットで講演しました。

 

ずっとみていたので、印象に残ったコメントを列挙してみます。

 

ただし、メモを取りながら見ていたわけでもないので、
正確な翻訳にはなっていない点、ご承知おきください。

 

 

1 所得が4万ドル以下の家計の40%が3月に職を失った

 

2 景気回復には時間がかかるだろう

 

3 最悪のシナリオでは、生産性の伸びが長期間低迷する。
所得も低迷する

 

4 追加の財政支援は、長期的に経済損失を抑制し、
 力強い回復を遂げられるのでやるべきだ

 

5 FRBは経済が回復軌道に乗るまでは最大限に活用する
(12日から、米社債の投資信託の買い入れを始めた)

 

6 マイナス金利政策は検討していない

 

 

この直後、国債利回りは低下し、ドル指数も低下しました。
それほど大きな反応ではなかったのですが、株価も続落しました。

 

しかし、おおざっぱにいえば、米国の株式市場では、
4-6月こそ大きく落ち込むであろうが、7-9月はV字回復を達成する、
という楽観論が支配的です。

 

パウエル議長のコメントは、この楽観論を裏切るものでしたが、
まだ、楽観論が支配的です。

 

 

しかし、経済活動を再開した結果として、
第二波の危険もささやかれています。

 

 

実際、中国は北朝鮮との国境近くの都市を封鎖し、
再開したはずの学校も休校としました。

 

韓国も、緩めた警戒態勢の中、ナイトクラブでクラスターが発生しました。

 

日本も、39県は解除され、首都圏でも、解除の検討に入っています。

 

 

では、第二波の威力を、試算してみましょう。

 

「首都圏で満員電車通勤が復活した場合、どのくらい第二波のインパクトがあるか」

 

という試算です。

 

満員電車で感染者がマスクをして咳をした場合、ドア近辺の9人が感染する、
という京都工芸大学の 山川教授のシミュレーションが公開されていますので、
この数字をつかいます。

 

 

5月16日現在、東京の感染者数は、5000人です。人口は1400万人いますから、
2800人に1人感染していることになります。

 

この人数は、本人が認識している数ですが、
まったく同じ人数が隠れ感染者として存在していると仮定します。

 

かくれ感染者ですから、本人は認識できていません。
当然に電車に乗って移動もしますね。

 

つまりは、このかくれ感染者は、2800人に1人の確率で街中に存在している、
ということになります。(あくまでも仮定です)

 

 

2800人というと、
ラッシュ時に10-15両編成の電車1本に乗る人数とほぼ同数ですので、
感染者もまた、1本の電車のどこかの車両にひとり存在することになります。

 

ひとりの感染者がいて、マスクをして、咳やくしゃみをすると、
9人が感染する、ということになりますね。

 

山手線はラッシュ時に1時間20本くらいありますから、
1時間に9人 x 20本=180人が感染します。

 

ラッシュ時は朝夕で6時間ありますので、その6倍、
だいたい1000人が一日に感染します。

 

これは山手線だけです。

 

首都圏には、84路線ありますから、その84倍が一日に感染することになります。

 

実際には、山手線並みの混雑する路線は
84路線の1/4くらいだとしても、20路線ありますから、

 

1000人 x 20路線= 2万人となります。

 

 

欧米でのデータですが、だいたい、
7人に一人(約15%)の人はすでに感染したことがあり、
免疫があるとしても、7人に6人は感染するわけですから、

 

2万x 6/7 ≒ 17,000人

 

の感染者が一日で発生します。

 

 

実際には、感染者が、咳やくしゃみを電車内でかならずする、
ということはないので、咳やくしゃみの発生確率を1/100としても、

 

17,000人の100分の1=170人

 

が一日で感染します。

 

6日で1000人を超える数字です。

 

 

第二波は、凄まじい威力になる可能性があるということです。

 

あくまでシミュレーションですので、実際にこうなるとは限りません。

 

もし、こんなことが起こると、
相場はあっという間に下落するでしょう。

 

相場にも用心しておく必要がありそうです。

 

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚