コロナショックと世界恐慌の下落を比較する
ピークから90%も下落した世界恐慌
昨年後半から今年2020年まではオリンピックイヤーだ、
ということで、かなり景気に期待が寄せられた時期でした。
また、毎年のように日本を訪れる外国人の数が増え、
インバウンド業界を中心に非常に賑わっていました。
「爆買」などという言葉が生まれ、
銀座などには、外国人旅行客の方が
日本人よりも多いのではないかという状態でした。
しかし、現在は、ご存じのとおりです。
絶好調からどん底へ、一気に奈落の底に落とされた感じになりました。
リーマンショックの時の比ではない、
と多くのマスコミが大きく取り上げらているのもご承知のとおりです。
1929年の世界恐慌に匹敵すると報道するTV番組もありました。
リーマンショック時との比較は以前に行いましたので、
よかったら、こちらもご覧ください。
今回は1929年の世界恐慌の時と比較してみます。
まず、当時の株式相場がどうであったか、確認してみましょう。
1929年の恐慌は、10月28日の1日で13%下げた
暴落からスタートしていますので、
ここでは、その1年前からチャートを作成しています。
当時のデータ入手の都合上、月末終値で作成しました。
楕円で示した部分が、よく言及される暴落のパターンです。
かなり強烈な下げであることがわかります。
一日で引け値ベースで -12.8%、
その翌日またまた-11.7%の下げ
と記録されています。
しかし、よく見ると、暴落の直前まで、
相当な勢いで上昇をしていたことにも気づくでしょう。
1924年5月には89.9ドルであったNYダウは、あっといまに100ドルを超え、
半年で30%上昇する脅威のペースで上がり続けました。
この楕円の暴落は、その上昇の調整のための下落であった
とも受け取れるかと思います。
実際、1930年3月にはほぼ半値戻しを達成していますね。
問題は、その後の、長く続く下落です。
1932年7月に41ドルまで下げたと記録されています。
実にピークから9割引、たった10%の水準にまで
落ち込んでたということです。
このチャートを、現在の日経平均株価のコロナ下落と
重ね合わせてみると、このようになります。
起点日は、
NYダウ →1928年9月
日経平均→2018年12月
としています。
起点日の株価を100として、
推移を変化の割合で重ねています。
ご覧いただくと一目瞭然ですが、
下げの迫力が違いますね。
つまり、コロナ相場は、間違っても
大恐慌と同列に比較できるレベルには達していない
ということがわかります。
もし、日経平均が大恐慌時と同じように下がる
と仮定するならば、
日経平均は2600円まで下落します。
その時期は、来年2021年の2月です。
いかがでしょうか?
私は、そんなことは実現しないと見ていますが、
みなさんは、いかがでしょうか?
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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