コロナショックとリーマンショックの下落を比較する
コロナショックとリーマンショッをNYダウのチャートで比較
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
今回のコロナショックによる株式相場の下落は、
リーマンショックの時と比較されます。
そして、
「リーマンショックを上回る」
「大変なことになる」
というような言われ方を目にします。
実際はどうなのでしょうか?
リーマンショックとコロナショックの両者については、
NYダウのチャートの形を調べてみると、
興味深いことがわかりました。
こちらをご覧ください。
日次終値ベースでの、リーマンショックとコロナショックの
NYダウの比較チャートを用意しました。
起点日は、リーマンショックの場合は明確で、
リーマンブラザーズの破産の1営業日前(9月12日)としています。
横軸は、営業日ベースでの経過日数です。
起点をうまく調整すると、下げ方の勾配(傾き)はほぼ同じ
というのが見てとれますね。
コロナショックは、リーマンショックと同じくらい
一気に下げたということになります。
リーマンショックの時は、下げは1カ月、
起点日から-26%下落した程度でいったん収まります(一番底)。
その後、しばらく2カ月程度もみ合いながら、
2番底(起点日から-25%)、3番底(-34%)をつけます。
3番底をつけたあとは、1か月半程度の期間は、
起点日から-20%の地点まで上昇に転じますが、
その後はぐんぐん下落。
結局、起点日から122営業日目まで、
-43%の下落までじわじわと下げ続けることになります。
ここが大底でした。
コロナショックの時、つまり現在進行形の下落は、
1か月と10日かかって、下げはいったん収まりました。
下げの勾配の時期をなるべく合わせるようにチャートを重ねていますが、
その時のコロナショックの起点日は2月11日となりました。
この日のNYダウ引け値は29,276ドルです。
1番底の位置は、29営業日目、-36.5%となります。
ここから一気に-23%の地点まで、たったの3営業日で返しています。
このあとの動きは、将来のものなので分かりませんが、
もし、コロナショックがリーマンショックを上回るのであれば、
”期間”、
”深さ”
のどちらかは上回るということになります。
”深さ”が上回るとすると、、
リーマンショックの時は-43%下げたので、、
NYダウは今後16,780ドルくらいまでは下がるということになります。
直近(3月27日)の時点でNYダウは21,636ドルで引けていますから、
あと4,856ドルの下落は起こる、ということになります。
”期間”が上回るとすると、
リーマンの時は、株価が回復するまで2年3カ月かかっていますので、
100%の回復までには、2022年の5月までかかるということになります。
深さも期間も上回るのであれば…
絶望的になるので、これはやめておきましょう。
ただ、先程のグラフから、このまま一本調子で戻すのではなく、
今後2番底、3番底まではあるだろう、
くらいは思っておいた方がよさそうです。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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