【2019年】日本の貿易とGDPを考えてみる
貿易黒字ではないが、経済成長の指標であるGDPがプラス成長
日本貿易振興機構(ジェトロ)の統計によれば、日本の貿易相手国は、こうなっています。
■2018年 貿易相手国とシェア(%)
中国 ⇒ 19.5
米国 ⇒ 19.0
韓国 ⇒ 7.1
台湾 ⇒ 5.7
香港 ⇒ 4.7
タイ ⇒ 4.4
シンガポール ⇒ 3.2
ドイツ ⇒ 2.8
オーストラリア ⇒ 2.3
ベトナム ⇒ 2.2
この結果からもわかるように、現在の日本にとっての最大の貿易相手国は中国です。
これまで、常に日本にとってNo1の貿易相手であった米国でしたが、
それも2017年までの話。
金額としては誤差ではありますが、今や米国はNo.2。中国と取って代わりました。
そんな日本の貿易の、おおざっぱな概略をみてみましょう。
こちらは、2000年以降の、日本の輸出と輸入の推移です。
ちなみに、2019年のデータは、まだ終わっていないので出ていません。
そこで、現時点で出ている2019年のデータ(第一四半期(1Q))のみを、
2010年以降の各年の1Qと比較してみました。
※その1Qも、2019年は速報値ですので、今後、大きな数字の修正はおこらない
として眺めてみて下さい
輸出金額-輸入金額 = 貿易収支
「貿易収支」とは、輸出量と輸入量の差額のことであり、
輸出が輸入を上回る状況を貿易黒字(貿易収支が好調)。
輸入が輸出を上回る状況を貿易赤字(収支バランスが悪い)といいます。
金額として、
貿易収支>0のとき貿易黒字
貿易収支<0のとき貿易赤字
になります。
ちなみに、貿易収支が黒字の状況では、相手国から受け取る外貨
(多くの場合米ドル)が増加します。
日本の場合、それを売って円に替えてしまう必要があるため、
ドル売り、円買い…つまり、「円高」になります。
貿易収支が赤字の場合、これとは逆に円を売ってドルに換えます。
ドルで支払いをする必要があるので、「円安」になるというわけです。
ジェトロが速報する統計値としての今期第一四半期(1Q)の貿易収支速報値は、
僅かですがマイナス。
つまり、「貿易赤字」ということです。
また、貿易黒字のときはGDPが押し上げられ、
貿易赤字のときはGDPは押し下げられます。
GDPは、国内総生産とよく言いますが、
1年間同じ国に住んでいる人々によって生産されたモノやサービスの付加価値のことで、
貿易収支の他、民間消費、政府支出を加算したものです。
もっと簡単にいえば、日本国内での、儲けの総額です。
その年1年間、日本に住んでいる人が、国内で商品を買ったり、
サービスを利用したりして使われたお金の統計といったほうが
分かりやすいかもしれません。
しかし、内閣府が9日に発表するGDP速報値(シンクタンク13社の予想)は、
平均前期比+0.1%増。
それが正しければ、GDPは3四半期連続のプラスとなります。
(各種データよりTrioAM集計)
このように、貿易黒字ではない中で、
経済成長の指標であるGDPがプラス成長しているというのは、
まずまずといってよいでしょうね。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
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次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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