円キャリートレードが主流だったFX業界
営業マンも登録制に
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
前回は悪徳業者の排除について触れさせていただきました。
これまでの記事をまだ読まれていない方は、
こちらから読んでみてください。
2005年の金先法の改正でもう1つ付け加えると、
この改正で、FX会社で営業する営業マンに対しても
規制のメスが入りました。
それまでは営業マンに対しては何の規制はなかったため、
言い換えると、何の知識がなくても勧誘行為ができました。
しかし、今回の改正により、”外務員の登録制”が導入され、
登録者以外による営業行為(勧誘行為)が禁止になりました。
当然、外務員登録には、試験の合格が必須になりますので、
一定の知識がなければ外務員となることもできなくなったのです。
とはいえ、実際の試験内容は、
ごく当たり前なコンプライアンス知識の確認程度の選択式問題で、
3時間程度??
勉強すればほとんどの方が合格するレベルでした…
ほとんど運転免許の試験のようなものでした(笑)
2005年ごろのFX取引はスワップ狙いが主流
これまで、2005年の金先法の改正によって行われた、
規制等をご紹介してきましたが、
簡単に2007年に改正となった金融商品取引法(金商法)
についてもお話ししましょう。
金融商品取引法は、もともと証券取引法という法律でした。
当時は、各金融商品によっても、法律が多岐にわたっていましたので、
金融商品に関する法律をひとつにまとめる形で、
証券取引法が改正して金融商品取引法が施行されました。
そして、金融商品取引法の施行にともない、
これまでの金先法(=金融先物取引法)をはじめ、
外国証券業者に関する法律や、
有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、
抵当証券業の規制等に関する法律等も
金融商品取引法に統合されました。
さて、前回の記事では、
2005年の金先法改正により悪徳業者撤退したと書きましたが、
それでもFX業者は200社以上あり、
それぞれ個性を発揮しながら共存共栄していました。
当時のFX取引の主流は、円キャリートレードでした。
円キャリートレードとは、低金利の円を借りて、
金利が高い国の通貨に替える取引で、
典型的なのはUSD/JPYのポジションを持ち続ける事です。
そうすることにより、
日米の金利差に相当する金利=スワップポイント
がポジション保有者に毎日入ります。
オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコなどの
高金利通貨が人気でした。
円安傾向だったこともあり、
当時のFX会社はそれなりの収益をあげていました。
今でも業界に登場している、ミセスW女史もその典型です。
しかし、2007年のサブプライローン問題、
リーマンショックなどを経験し、円安時代は終わり、
FX会社も体力がなくなり、生き残りをかける事となります。
そういった中、生き残るためには、
多少顧客を犠牲にするようなプチ悪徳業者が
続々と現れてきました。
そして、体力のないプチ悪徳業者が全て撤退を余儀なくされる
FX業界にとっては悪魔、死神のような法改正が
再度2010年に行なわれることになります。
次回はこの法改正についてお話ししたいと思います。
楽しみにしていてください。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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