悪徳業者がはびこっていた初期のFX業界
FX業界の始まりは1998年
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
今回はFX業界がどのように始まっていったのか
という歴史について、お伝えしたいと思います。
日本のFXの元年は1998年です。
日本では1998年までは為銀主義(ためぎんしゅぎ)といわれており、
「外国為替公認銀行」(=公認された一部の金融機関)のみでしか
外国為替の取引をすることができませんでした。
ところが1998年、外為法(=外国為替及び外国貿易法)が
規制緩和により法改正となって、
これまでの為銀主義が撤廃されて、
外国為替公認銀行だけではなく、民間企業間においても
自由に外国為替の取引ができるようになりました。
その中で、現在の「ひまわり証券」が
当時アメリカなどですでに行なわれていた、外国為替の証拠金取引を
日本で初めて導入し、1998年にサービスを開始したのが第1号です。
それに続いて、次々と商品先物取引業者を中心にFXに参入しました。
社員数数人の他業種の会社も続々と参入してきました。
しかし、そこにその後の業界を震撼させる事態が
時間を待たずに増えていくことになります。
それが「悪徳業者の増加」です。
当時のFX業界は、急拡大に伴う法整備がまったく追いつかず、
まさに「無法状態・無法地帯」。
実際にあった悪徳業者の手口の一例をあげてみましょう。
①実勢レートは1ドル99円なのに
「今1ドル100円なので、割安な今が買場です」
と電話セールスします。
②1万ドル買わせて、100円×1万=100万円振り込ませます。
手書きの売買報告書をFaxで送ります。
④その後、実勢価格101円なのに
「1ドル98円になってしまったので損切って、次で取り返しましょう」
と電話し決済させます。
⑤もちろん悪徳業者はカバー先に取引をつなぐことなどしません。
なので→100万円-98万円=2万円 の業者の利益=顧客の損失
⑥これを顧客の資産がなくなるまで繰り返します。
いかがでしょうか?
今ではありえないような手口ですが、当時はよく実施されていました。
今は誰でもリアルタイムに外国為替市況が見れますが、
当時はインターネット環境は未整備で、為替情報も少なく、
FX投資家は、”テレビ”や”新聞”の情報のみを頼りにしていました。
つまり、リアルタイムの為替レートの動きはわからなかったのです。
だからこんなでたらめなセールスに引っかかります。
主に年寄りの客層がターゲットとされていたようです。
FX取引という事で顧客から資金を振込ませながら
故意に夜逃げしてしまう業者もたくさんありました。
これじゃあいわゆる〇レ〇レ詐欺とあまり変わらないですよね…
こういった業者がはびこっていたので、
社会問題にも発展し、FXは怪しい金融商品と思われていました。
この状況を重く見た当局は、
ついに、これまでの「金融先物取引法」を法改正することで
業界の清浄化に乗り出しました。
それが2005年のことです。
このとき、「金融先物取引法」が改正されたことで、
FX業者は財務省の管轄下に入ることとなり、
また自主規制機関である(社)金融先物取引業協会に加入することも要件とされ、
その結果ほとんどすべての悪徳業者は業界から撤退することになりました。
つまり、真の意味でのFXの元年は2005年と言えるかもしれませんね。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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