相場を読む力「金利」と「債券市場の成り立ち」
そもそも金利とは何か?
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
本日は少し趣向を変えて、
金融の基礎である「お金の貸し借り」についてお話したいと思います。
重要となる項目は以下の3点。
・金利
・お金を借りる期間
・借り手と貸し手
まずは金利について簡単にお話しします。
そもそも金利とは何でしょうか?
金利とは、銀行からお金を借りたときの
「利息金額を、元金に対する割合で表したもの」で、
年率換算レートによって示されます。
例えば、金利1%で100万円を銀行から借りたとします。
この場合の利息は
年間1%=1/100
つまり、100万円の1/100である、1万円です。
お金を借りる期間
次に「お金を借りる期間」を考えます。
1年借りるのか?
6年借りるのか?
30年借りるのか?
などです。
このようなお金の貸し借りの期間について、
金融業界では、
・2年までを短期
・数年を中期(厳密ではないですがだいたい5年まで)
・5年-10年までを長期
・10年を超えると超長期
と呼びます。
そして、短期をさらに細分化すると、
1日をオーバーナイト、
1日単位で設定されるn日期間をトムネ、と呼びます。
借り手と貸し手
そもそも、お金の貸し借りとは、
→貸し手となる資金を持っている人、
または組織で投資を行う投資者
→借り手となる資金を調達したい需要者
で成り立ちます。
個人であれば、お金は銀行から借りる、
または貸す(=預ける)ことが多い一方、
経済の世界では、お金を借りたい組織
(国、地方自治体、事業法人、金融法人)が、
組織として『債券』を発行します。
債券とは、お金を必要とする組織が発行する、
あらかじめ利率や完済する日(=満期日)が決めてある
“一種の証券”
です。
国が発行する場合は、国債。
民間企業が発行する場合は、社債などと呼びます。
なかでも、最も一般的な債券は「割引債」と呼ばれるものです。
これは、満期日(たとえば1年後)に
100万円を返す(償還といいます)として、
それを、100万円より割り引いて99万円で売る、
といった仕組みをとります。
このケースでは、投資家側は99万円で購入し、
1万円の利益があることになりますね。
リターンは、「1/99=0.0101=1.01%/年」になります。
経済の世界では、債券を投資家に売り、
「債券市場の中でお金を貸し借りする」のが一般的です。
この債券を購入した投資家は、満期日まで待つほか、
買った債券をまた「債券市場」で売買することができます。
債券市場という言葉が出てきましたが、
これは、株式市場でいう東京証券取引所(東証)のような、
1か所の取引所を用いて集中して売買される仕組みが採用されていません。
株式は1998年12月まで、取引所集中義務が規定されていて
東証へ注文を流して取引を集中させ、
勝手なところで“好きな価格をつけること”を
禁じていた経緯がありました。
(今は夜間や私設取引もさかんで、自由化されています)
しかし、債券に関しては、
もともとプロ投資家のみが取り扱う商品。
ですから、そうした規制がなかったのです。
つまり、債券市場は、機関投資家同士が
相対(OTC,over the counterといいます)で取引することが多く、
そうした取引全般を指しており、
“金利は債券市場で債券の取引を通して形成”されます。
さて、本日はお金の貸し借り、
そして、債券市場の成り立ちについてお話させて頂きました。
あまり、意識していこなかった人には
少し難しい話だったかもしれませんが、
相場を読むのに役に立ちますので、
基礎的な部分からお話しさせて頂きました。
その上で次回は、債券と金利の関係
そして、相場への影響についてお話したいと思いますので
どうぞご期待ください。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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