投資判断力を向上させるトレーニング

 

 

「見える化アプローチ」で意思決定する

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

 

唐突ですが、質問です。

 

 あなたは電車に乗った時
 なるべく座りたいと思いますか?

 

いきなり投資とは関係のない質問と思うかもしれませんが、
全く脈絡がないわけではありません。

 

 

実は最近、とある学生のエピソードをきっかけに、

 

「電車で座れる確率、可能性」

 

について、私が持つゼミで検討したことがありました。

 

 

具体的には、

 

「飯田橋で中央線下りに乗った。
 その電車で座ることができる可能性(確率)を
 上げることは可能か?

 

 それはどんな状況で、
 どう行動すれば可能であるか、
 制約条件を付けなさい」

 

といった問題です。

 

 

これを、一定の状況を設定して、
具体的に考察しようというものです。

 

つまり、これにはいくつかの解が考えられます。

 

 

まずは以下のような状況を想定しました。

 

 

・乗車時間は任意

 

・乗車した時点では、すべての座席が埋まっている

 

・座るためには、自分より先に降りそうな人の見当をつけて、
 その人の前に立っていなければならない
 (その人が自分より先に降りない場合は座れない)

 

・優先席は座席の対象から外す

 

 

しかし、これらの条件だけでは、まだまだ足りません。

 

 

学生の中からは、

 

「車両をまたぐとややこしいので
 隣の車両まで移動しても空いている席は
 見つからないことを前提にしてはどうか」

 

という意見に対して、

 

「自分の守備範囲は広いほど有利」

 

という指摘をする学生もいました。

 

 

3人掛け席の前にいるか?
7人掛け席の前にいるか?

 

また、自分と同じように、近くで席が空くのを
虎視眈々(こしたんたん)と待つ人がいなければ、
自分の守備範囲は倍増だろう、といったものです。

 

 

 確かに、自分の横に立つ人がいれば
 「競合相手」となりますから不利になる。

 

 では、複数の解があった場合、
 競合が少ない席を観点に、ひとつに絞り込もう…。

 

 

などなど、
こうして制約条件が決まってきました。

 

 

このように、課題を定義してゆく過程は、
問題を研究として取り扱う場合に重要です。

 

定義を曖昧にした問題は、その答えも曖昧になります。

 

そればかりか、
そもそも「答えに辿り着かない」こともあります。

 

 

あたなも、日常で多くの問題に直面し、
意思決定をすることがあるはずです。

 

しかし、なんとなくで意思決定するのではなく
このように論理的に整理し、場合によっては数値化したりする

 

「見える化アプローチ」

 

で、案外解決できたりするものです。

 

 

投資に関していえば、銘柄、売りと買いの量、
タイミングなど…が該当します。

 

あらゆる前提条件の中での意思決定が求められます。

 

 

その時の状況(=制約条件あるいは前提条件)によって判断は異なりますので、

 

条件をきっちり定義しながら、検討してみることは
投資判断力を上げるための、有効なトレーニングと言えます。

 

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚