高い精度でトレンドを読む「測定器」
クォンツ分析とチャート分析
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
「キャリブレーション」
これは、工学の分野で使われる言葉です。
日本語では「校正」と訳されますが、
測定器の基準点(リファレンスポイントといいます)を
“正しく調整する”という意味です。
ちょっと分かりづらいですかね。
一番わかりやすい例えでいうと、
キッチンの測り、あるいは体重計です。
これらは、ゼロの位置がズレるので、それを手で「ゼロ」に調整してから、
モノや自分が乗って測定しますね。
つまり、“ゼロ点の調整”を行うことにより
精度よく測定できる、というわけです。
また、ビデオカメラには、ホワイトバランスをとる機能が
かならず存在します。
それもキャリブレーションです。
さらに、プロのグラフィックデザイナーでは、
色を正しく表現するために、色域全てを調整する必要があります。
ですから、パソコンのディスプレイやプリンタも、
カラーメーターという色を測定するセンサーを使って
正しい色を測定して、「調整した機器」を使って作品を作ります。
こちらもキャリブレーションです。
では、これを相場に置き換えてみましょう。
相場も、キャリブレーションをとると、
圧倒的に精度よく物事をみることができるのです。
その代表が『クォンツ』です。
いわゆるITを使った、
ファイナンス分析の領域でも使われている技術のひとつです。
ブログという媒体の性格上、
あまり詳しく述べるスペースはないので、
できるだけ要点のみをまとめてわかりやすく説明しますが、
「ある市場をみて」、または、「ある統計数値をみて」、
それだけで、為替や株式市場の8割は、
動きが説明できることがあります。
そして、案外簡単な方法でキャリブレーションを行うと、
その精度はさらに上がります。
そうすることで、“少なくとも1日という単位”では、
恐ろしく高い精度で、相場を言いあてることができます。
ですが、キャリブレーションは、
統計やある相場のデータは事後的なデータなので、
実のところ、昨日の予想ができるに過ぎないのです(残念ですが)。
したがって、そのままでは、将来の相場を予想することはできません。
あくまでも、昨日の市場を読むにすぎず、
今日これからおきる相場に役立てる事はできない…
しかし、キャリブレーションに似た概念で、
フィードフォワードという考えがあります。
例えて言うなら、
『トレンド分析の考えを足し加えると、昨日までの流れを分析し本日の予想に加える』
という手法です。
こういうと、チャート分析の話に聞こえるかも知れませんが、
それらと共通点はあります。
共通なのは、「トレンドを読む」という点。
異なるのは、チャート分析(株価を使って株価を予想する)に対し、
「異なる定量的な測定値を使う(ここでいうキャリブレーション)」
という点です。
その他にも相違はありますが、もうひとつ上げるとすると、
それを行うにあたっての“知識とノウハウ”でしょうか。
当然、出てくる結果は、人によって異なります。
ですから、どちらが良いとは断言できませんが、
再現性が高いという点で、クォンツは優れた考え方といえるのです。
なかなか、クォンツ分野は普及していないのが現状です。
知人が、金融機関向けにやっている先物やオプションの研修会は、
プロ相手の研修プログラムにもかかわらず、
個人で参加する人が増えてきて、
みなさん、微分だの、統計分析だのを駆使して
研修会は大流行だそうです。
こういうと、失礼に思われるかもしれませんが、
個人投資家でも、そうした熱心な人がいることに少し驚きました。笑
もちろん、私も負けないように、日夜新しい手法を開発中です。
8割は結果が不十分でボツになるのですが、どうなることやら。
みなさんにシェア出来るレベルの、新しい手法を開発できましたら
このブログでも発表するつもりですので、楽しみにして下さいね。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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