年末に向けてドル円はどう動く?
年末に向けての動向
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
以前のこちらの記事にて、
「今の相場は、なぜこんなに上げてきたのか?」
その理由を知るうえで、株価の変化する理由を、
利益とセンチメントに分けて考えてみました。
利益は下がっている。
しかし、
センチメントが上昇してきたことがわかりました。
上昇の理由は、センチメントが上がってきたから、と述べました。
そして、センチメントが上がってきた理由は、米国の状況であると説明してみました。
しかし、そう結論づけるのは矛盾を持っている事も述べました。
今回はここを掘り下げてみます。
まずは、今年8月以降の、米国金利とドル円レートの関係をみておきます。
ドル円レートは、主に米国金利で決定されます。
さらりと述べましたが、この理由はあまりに重要であり、
中途半端にしたくないので今回は説明しません。
米国金利の月中変化のカーブを、黒の曲線→で入れて置きました。
1か月単位で、米国金利が変化し、その変化に応じて、
ドル円レートが変化していることがわかります。
米金利が上がるとドル円が上がり(ドル強くなる)、
米金利が下がると、ドル円が上がる(ドルが弱くなる)
ことがわかりますね。
もうひとつ、ドル円と日経平均株価の関係を、2019.8月以降でプロットしてみましょう。
円高になると、株安になっていることがわかりますね。
ところが、ドル円と日経平均株価の時系列での関係は、こうなっています。
8月から、右上がりにドル円が上がってきました(円安方向に進んだ)。
この期間、日経平均も、同じようにピッタリドル円にシフトして
株価は伸びてきています。
この期間の、米金利を日経平均と重ねてみてみましょう。
FOMCという金融政策決定期間は、
7月 0.25%利下げ (2.5% ->2.25%)
9月 0.25%利下げ (2.25%->2%)
10月 0.25%利下げ (2%->1.75%)
していますので、その日時を 肌色の〇で囲っておきます。
これを見る限り、金利はFOMCが(がんばって)利下げしているにも関わらず、
上昇したくてうずうずしているように見えます。
理由は、景気が良いからです。
FOMC(あるいはFRB)は、本来は、もっと金利が高くても良いと考えており、
本当は金利を下げずに、健全なインフレを進め景気を持続させたい。
しかし、米中貿易戦争のおかげで、米中の景気に陰りがある。
だから景気刺激で金利を下げた、といったところです。
では、この先年末まで、どうなるでしょう。
実は、米国のエコノミトの間でも、意見が二分されています。
バンカメ(ブレイジンハ)は、米金利は下がってゆくと見ています。
UBS(ミラニ)は、まだまだ、年内にガンガン下がり10年金利が、
1.0%まで下がると予想しています。
JP.モルガンチェース(パニギリツオグル)は、米金利は上昇すると見ています。
(※bloombergより)
私は、米金利は下がってゆくと見ます。
また、景気もまだ後退には至らずとも、停滞すると見ています。
つまり、この場合、日本株にはマイナスの円高の方向になります。
12月から、こうした流れがゆるやかに始まるという見方です。
とすると、ドル円は、円高に向かいはじめます。
日経平均は下がり始めるが、ショックを持つ程の下げにはならないのではないか、
というように考えています。
果たしてどうなるでしょうか?
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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