インターネットの発展が企業価値に与える影響

 

 

ネット上の評判と株価の関係を考えてみる

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

 

昨年の夏(2018年7月)、エジプトでは、SNSフォロワー5000人以上になると
メディアと位置付けられ、「監視や規制の対象になる」という法律が施行されました。

 

これは主にテロ対策という名目のようですが、
ここ日本ではなかなか考えられない話です。

 

 

監視や規制も、ある意味では利用なのですが…

 

活用という言い方にあらためると、私達であれば、

 

『株価の予想をする、という古くて新しい問題の解決に、
 ソーシャルメディアが中心としたビッグデータが活用できないか?』

 

このような興味が湧いてくるかと思います。

 

 

私はここ10年ほど、いくつかの企業と共同研究をしてきました(今もしています)。

 

現代社会では、インターネット上で、一般人がブログやツィッターでつぶやく。

 

あるいは、SNSや掲示板で意見を交換するのは、今や“当たり前”。
普通に生活の一部に溶け込んでいます。

 

 

企業のイメージや、製品の評価サイトもありますので、
その製品に価値があるかどうかなど、
いろいろな観点で情報を得ることが容易にできる時代になりました。

 

 

こうした新しい形態のコミュニケーション体系の中では、
本質的に「対等」であり「双方向」であるネット社会の中で、共感評判を通して
“アクセス数”“いいね数”を得ると、ヒットする人が出てきます。

 

その中から、カリスマ的なリーダーも数多く生まれ、
直接的に参加者に対して影響を与えることも多くなっています。

 

いわゆる、インフルエンサーと呼ばれる人です。

 

 

こうしたネットでの評判は、企業価値に影響をどれだけ与えているのでしょうか?

 

これが解明できると、ネットの評判を調べることで『株価の動き』
がわかるのではないかと考えることができます。

 

 

この問題を掘り下げるためには、本当に多くのアプローチが必要となります。

 

そこで、私なりに現時点で分かったことを紹介しておきたいと思います。

 

 

【1】ポジティブな情報は、商品力や、新商品販売を知るうえで役立つ

 

【2】ネガティブな情報は、企業価値に影響を与えるかもしれない
というシグナルを出すうえで役立つ

 

【3】トラヒックが起こらないという情報も、何かしらの役立つ

 

 

なんだか、抽象的な言い回しになっていますが、
さらに明確に数値化してお伝えすることは難しく、
これに関しては、これからのテーマでもあります。

 

 

いくつかの研究事例は既にあります。

 

特に最初の【1】のようなテーマでは、数多くの論文が発表されています。

 

(※参考文献1.)
【[2014] sales Prediction-with Social Media Analysis (SRII Conference)】
IBMシステムがSNSデータから取り込んだデータを分析し自動車の販売数を予測する
筆者:Ahn,H./ W.S.Spangler

 

(※参考文献2.)
【Chronological Analysis on the Electric Word-of-Mouth Effect of Four Social
Media-channels on Movie Sales(PACIS 2014)】
4つのメディア(Twitter,Yahoo映画,Youtube,Blog)を比較し、映画の興行収入を予想する
筆者:Hyunmi Baek / Sehwan Oh 他

 

 

これは、新商品の評判やウワサ、あるいは先行購入者の紹介などの記事をもとに
その商品の「販売を予想する」、という試みです。

 

前評判の高い商品は、かならずネットでも注目されます。

 

そして、その状況を数値化することで、販売を予想してみるわけですね。

 

 

しかしながら、残念なことに、この予想精度は高くありません。

 

ましてや、それを利用して「企業価値が上がるか下がるか」を
判断することはできません。

 

 

とはいえ、何らかの企業価値予想があり、それを補完する…

 

言い換えれば、“微調整をもたらす要素”としては、
案外向いていることもわかってきました。

 

その情報は、トレードに役立つような形に仕上げられるかもしれないな、
と最近考え始めていますので、明確に提示できるようになったら、
改めてご紹介したいと思います。

 

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚