老齢者が生活の収入を補うための選択肢は豊富にある
長期投資における常識と罠
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
今回は、「長期投資の際の常識とわな」について取り上げます。
金融ジェロントロジーとも関連する話題でもあります。
金融ジェロントロジーとは「老年学」のこと。
つまり、長寿が経済活動や社会経済に与える影響(高齢社会の様々な問題)を
医学、看護学、理学、工学、法学、経済学、社会学、心理学、
倫理学、教育学、宗教学などから、多面的に研究する総合的学問体系です。
この解決案を簡単にいうと、
『生活するためには支出の源となる収入が必要だ、
収入の不足分は資産を取り崩して補うしかない』
という見解になります。
世の中の生活コンサルタントは、必ずといっていい程こういいます。
「収入が少ないのだから、それに見合った倹約、節約をして支出を減らしてください。」
「少しの贅沢でも我慢すること。食事を削る。趣味を削る。孫には合わない。
持ちたいものを持たない。」
「それは収入の中で暮らす以上、当然の事。」
一見、ごもっとも。正論です。
これが、若い世代であれば、今後の所得を増やす可能性もあるでしょう。
あるいは、目標を明確に持ち、それを達成するための一過性のものであれば、
誰であれ、多少の我慢くらいでばあれば大したことではないでしょう。
しかし、老齢者に関していうと話は違ってきます。
体力的にも、残された時間的にも、人生の目標を設定し、
“それ”にむかって努力する構図はあてはまりません。
もちろん、100%無理と言っているわけではありません。
65歳でケンタッキーフライドチキンを創業し、70歳にして成功した
カーネルサンダースさんは以下のような名言を残しています。
『最後に息を引き取るまで、夕暮れは暗闇にはなりません』
老齢であれ、新たな目標に向かってどんどんやるべきですが、
実のところ、カーネルサンダースさんのようなケースは極めて稀と言っていいでしょう。
話を戻しますが、生活コンサルタントの指導は
・楽しみを削る(あるいは止め)
・美味しいものを食べず我慢する
・やりたい事をやらない
極端に言えば、こういうことです。
この指導内容では、
「倹約をし、節約しつくして、ただ、ただ、死ぬまで生きる」
そう言っているようにも聞こえるのです。
しかし、そうならないための手はいくつもあります。
まず一番手っ取り早いところでいうと仕事を継続することでしょう。
ですが、これは誰にでもできることではありませんし、
個人の生き方の問題なので、割愛します。
逆に、誰でもできることを考えてみましょう。
実は意外と多いのです。
資産を取り崩すだけではなく、増やし続けることです。
2000万円の退職金を年間4%で運用すると、1年で「80万円」のリターンが生まれます。
この80万円を1ヵ月あたりに換算すると、月6万6000円のリターン。
6万6000円を月の生活に補うと、取り崩し額が月10万円だった人は
「月3万4000円」で済みます。
さらにいえば、運用しないで取り崩すだけだったら、貯蓄は16年で枯渇します。
しかし、4%で運用するだけで、枯渇まで28年ももつのです。
そうなれば、多くの人は死ぬまで、枯渇しないで済むことでしょう。
ちなみに、3000万円の退職金をもらえる人は、4%の運用をするだけで、
「年間120万円」のリターンがあります。
税金を考慮しない場合、元本を1円たりとも取り崩すことなく、
死ぬまで生きることができるのです。
さて、「4%で運用する」と書きましたが、
この4%という数字は、長期投資における金融学としては、
“世界的に基準になる数字”です。
この割合を超えて取り崩す時、お金は目に見えて枯渇を始めます。
次に考えられる手段は、「リバースモーゲージ」です。
リバースモーゲージは、「自宅を信託銀行に売却し、それを賃貸する形式」ですが、
死ぬまで借りて(賃貸として)住み続けることができます。
実質、土地の価値だけの売却になってしまいますが、
死んだ後に、不動産を子孫に残すつもりのない人には便利な商品です。
ほかにもいろいろ策略があります。
今回の記事を書くにあたって、いくつかの策略を練るためにデータを調べてみましたが、
驚くべき事実もありました。
これは、若い人にも大いに関係のある話です。
ただ、ここで一気にお話ししてしまうと
かなりのボリュームになってしまいますので、
この続きは、またの機会にでもお話したいと思います。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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