日本は本当に後れをとっているか
他国とのGDP比較から検証してみる
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
ここ何年か、経済ニュースで誰もが目にし、
あるいは耳にする言葉があります。
日本はずっと経済成長をしていない
給料は上がっていない
日本は生産性が低いからだ
その理由は..ああだこうだ
日本はだめだ
こんな感じの内容です。
世界の上位4か国の、経済成長を見てみましょう。
経済成長というのは、GDPの伸びで測定しますが、
ここでは、GDPの上位4国の規模も合わせて理解するために、
金額そのものをプロットしておきます。
IMFが公表しているデータから、1990年から2022年まで
33年間の推移を作成しました。
2020年までは実績、2021年は速報値、
2022年はIMFが予想する経済成長率から算出しました。
これを見ると、米国と中国の経済成長率は群を抜いています。
この上位2か国に比べると、ドイツ(4位)と日本(3位)の成長は緩やかで、
特に日本は成長を殆どしていないことがわかります。
これだけを見て、世界から後れを取っている、
と言い切るのは問題があります。
少なくともG20全体を見ておく必要があるでしょう。
さっそく、見てみましょう。
米国、中国に敵わないのはもうわかりましたので、
この二か国を除いてプロットしました。
このグラフも、IMFのデータを基に先ほどのグラフと同じように作成しました。
このグラフでは、先程のグラフと異なり、かなり見えにくくなります。
大雑把に言って、多くの国は成長している。
でも、なんとなく、似たり寄ったりの形ではありますね。
米中を除くと、それほど経済成長には差はありません。
この中では、(米中ほどではないが)ドイツ、フランス、韓国あたりは、
頭一つ抜きんでているかな、ということになるでしょうか。
結局、日本は多くのG20の国に後れを取っているということになりそうです。
でも、よく見ると、ロシア(ピンク)やブラジル(赤)は、
2014年以降は成長がマイナスであることもわかります。
イタリアも、2008年以降は経済成長がマイナスです。
日本の仲間ですね。
それに、G20は、世界経済のリーダーですから、
ここに掲載しなかった国が多く、もっと下もたくさんあります。
下には下もいるものです。
そうした国よりはマシ、ということになりましょうか。
あまり、慰めにはなりませんね。
このGDP、あるいは経済成長というデータを見る限り、
日本は褒められたものではないのは間違いありません。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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