欧州の政治事情

長期政権とプレゼンス

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

オリンピックも終わりましたが、ウクライナ問題は
より一層問題が深まってきている
感じがあります。

 

しかし、米国のニュースであればどんどん入ってくるのですが、
欧州のニュースは、なかなか入って来ませんね。

 

そこで、今回は欧州に目を向けてみることにしました。

 

欧州主要国の政治首脳は、一度リーダーになると
長い間継続することが多いですよね。

 

たとえば、

 

ドイツは、シュミット首相(1974.5-1982.10)の8年、
コール首相(1982.10-1998.10)の16年、
シュレーダー首相(1998.10-2005.11)の7年、
メルケル首相(2005.11-2021.12)の16年。

 

フランスは サルコジ大統領(2007.5-2012.5)の5年、
シラク大統領(1995.5-2007.5)の12年。

 

イギリスは サッチャー首相(1979.5-1990.11)の11年、
メージャー首相(1990.11-1997.5)の7年、
ブレア首相(1997.5-2007.6)の10年、
キャメロン首相(2010.5-2016.7)の6年。

 

ところが、この状況が昨年から変わってきました。

 

まずドイツですが、長く欧州を引っ張ってきたメルケル首相が
昨年9月の総選挙で引退を表明、後任の首相がなかなか決まりませんでした。

 

ようやく決まったショルツ首相は昨年12月に首相になったばかりで、
国際的な知名度もなく、EUのリーダーとしてもペーペーといったところでしょう。

フランスのマクロン大統領は2017.5に大統領になりましたが、
今年4月は大統領選があり、大統領の座を守れるか少しばかり怪しくなってきています。

 

イギリスのジョンソン首相は2019.7に首相になりましたが、
コロナでロックダウン中に首相官邸でパーティを主催したのが
バレて野党から辞任を要求
されています。

 

不信任投票まで進む勢いがあり、
与党は首相を交代させる可能性が高くなっています。

 

国際的に知名度のない人、既にレームダックになっている人が
中国やロシアの首脳と会談をしたところで、マトモな交渉はできません。

 

相手は長い事リーダーをしており経験豊富、百戦錬磨のつわもの。
役が二枚も三枚も上
です。

 

このまま欧州のリーダーが力を失うと、欧州のプレゼンスも失いかねません。

 

そうした中、がぜん光っているのがイタリアです。

 

今までは政治リーダーが頻繁に交代するイメージがありましたが、
欧州中央銀行(ECB)総裁を務めたドラギ氏が昨年2月に首相になり政権を発足させ、
状況一変。

 

強力な指導力と欧州中枢へのコネクションを活用し、政治を安定させました。

 

一時は先月行われた大統領選に出馬する話が起こり政治空白が懸念されましたが、
マッタレッラ大統領が再選され、事なきを得ました。

 

もっとも頼もしいEUのリーダーの一人になるでしょう。

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚