IMFって?

歴史から知っていく

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

このブログの読者だと、国際通貨基金、あるいは、
IMF(International Monetary Fund)という名前を聞いた事がない、

などという人はいないでしょう。

 

では、何をする組織でしょうか?

 

ナニナニ、 国際通貨基金というくらいだから、国際通貨、つまりドルの基金なのかな。
ということは、米国が拠出するどこかへのファンド資金かな。

 

などと想像できますかね。
でもこの答えだと、100点中10点といったところかなぁ、という感じです。

 

 

IMFのHP (http://imf.org)によると、

 

「国際通貨基金(IMF,)は、国際金融の安定を促進し、
国際通貨協力を推進しています」と書いています。

 

ん?
よくわかりませんね。

 

簡単に書くと、IMFは、世界経済が動く重要なベースとなっている通貨を安定させます。
国連よりも先に発足しましたが、国連機関のひとつです。
そのために行う役割は3つです。

 

1国際収支が悪化(=外貨不足)した加盟国に一時的に融資する
2世界各国の経済と金融を監視し、加盟国に助言を行う
3経済財政金融の分野で政策担当者が不足するとき専門家を派遣する

 

なんだか、偉そうな機関ですね。

 

話は第一次世界大戦に遡ります。

 

第一次大戦前はイギリスの通貨ポンド中心で世界経済が回っていました。
しかし、大戦後はイギリス経済は弱体化しアメリカが台頭してゆきました。
資本市場の中心も、次第にロンドンからニューヨークに移ってゆきます。

 

その後の世界恐慌で、イギリスはポンドと金を停止し、
各国が自国の経済圏を守るために自国通貨を切り下げ、
それぞれの経済ブロックで通貨切り下げ競争が行われたあげく、
さらに経済は悪化し、それが原因で第二次世界大戦に突入します。

 

その反省があって、第二次世界が終わりが見え始めたころに、
IMFが設立
されました。

 

独、伊、日という悪の帝国と戦って勝利した44の連合国が合意して作った体制で、
実体としては英米中心で進められた組織です。

 

ブレトンウッズで開催された会議だったので、
ブレトンウッズ体制といいます。

 

ここで、米ドルを基軸とした金本位制で国際通貨体制の安定を図るものであり、
金融問題は二国間ではなく国際機関を通じて解決を図る事
、が決められました。

 

と、こんな経緯は知っていても役に立たないかもしれませんが、、
IMFが時々出す世界経済見通というレポートは、きわめて役に立ちます。

 

おそらく、世界で一番信用される経済成長率を、
国・地域ごとに予測しているんです。

 

経済成長率は、景気と密接です。金利とも密接です。
株価、FXにも大きな影響を与えます。

 

ですので、著名なシンクタンク、証券アナリスト、大手機関投資家は皆注目します。
webで無料で誰でも読めますし、日本語訳まで出してくれるのはありがたい事です。

 

1月24日に出た改訂版が最新のものです。
よろしければ、いかがでしょうか。

 

IMF2022年1月改定見通し

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚