日経平均株価とドル円の相関関係から株価の妥当性をチェックする方法
日経平均株価とドル円の関係
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
今回は、株価と為替レートの関係を、検証していきたいと思います。
株価の代表として、市場インデックスがあり、
今回は、もっともポピュラーな日経平均株価を用います。
為替の代表として、これまた、もっともポピュラーな
ドル円レートを用います。
まず、日経平均株価とドル円レートの間にどのような関係があるのかを
おおざっぱにみるために、マクロ的に確認してみます。
1988年3月から、2019年10月までの31年半の長期に渡る、
日経平均株価とドル円の関係です。
これを見ると、明らかに関係がある事がわかります。
全体的に、どちらかが上がると、どちらかもあがります。
つまり、日経平均株価が上がると、ドル円も上がる(円安)
という関係がある事がわかります。
(このように2つの値に関係があることを相関関係にあると言います。)
特に、関係が強く出ている区間を線で示します(3箇所)。
ドル円を青線、日経平均株価を赤線で示しました。
中でも、緑の◯で囲った1994年から1997年くらいまでの間は、
完全に一致した動きとなっています。
逆に灰色の枠で囲った部分を見ていただきたいのですが、
これだけ長期であると、関係が真逆になる期間があることも、
良く分かりますね。
こうした期間は、特殊な要因で真逆に動くことが多いのです。
実際に何が起こっていたのかは、また別の機会に譲りましょう。
相関関係からの日経平均株価を評価してみる
さて、先程のグラフにて、一致する動きをするとき、
グラフのスケールから読み取ると、
(ドル円、日経平均株価)=(90,15000) (130,30000)
という線形の関係があります。
これを方程式で示すならば、
(x,y) = (90,15000)(130,30000)となり、
傾きは、 (30,000-15,000)/ (130-90) = 15,000/40=375
つまり、1円ドル円が動くと、日経平均株価は375円同じ方向に動く
という事がわかります。
日経株価平均:Y
ドル円レート:X<br />
とすると、
Y = 375*X – 18,750
というい関係が、長期間のおおざっぱな関係になることがわかります。
せっかくなので、この関係をグラフで見てみましょう。
いかがでしょうか。
例えば、2019年10月16日の時点で、ドル円レートは、108.7円(14:45)です。
この時、上のグラフによると、
Y= 375* 108.7 – 18,750 = 22,013です。
実際の日経平均株価は、22,485円ですので、
22,485-22,013=472円ばかり、上に評価された株価になっている、
ということがわかると思います。
実は、10月15日、16日は、日経平均株価/が合計676円も上昇した日なのです。
仮に正しい日経平均株価が、22,013とすると、明日以降、470円程度の下げに向かって、
長期的なバランス上つじつまがあう、ということになります。
いかがでしたか?
こんな簡単な分析でも、いろいろ見方を変えると、
案外現実を説明できる気がしてきませんか?
今回は、長期のドル円と日経平均株価を使って、説明してみました。
短期的、あるいは、中期的な動きも、同様に説明できるものかどうか、
別の機会にあらためて、ご紹介する予定です。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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