日経平均バブル崩壊後の最高値を突破が意味することとは?

下落が怖くて買いに入ることができない方へ現象を正確に捉える事の勧め

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

9月14日、日経平均は、前場に昭和バブルが崩壊後の最高値を抜きました。
この時、ドル円は109.99円。
引け値べースでも30670円ですから、強い相場です。

 

さっそく、今までの歩みを見ておきましょう。

 

 

今の水準の株価は、過去、2度あります。

 

1回目は、1988年9月。
これは、まさにバブルの最盛期であり、今の水準株価を下から上に向けて通過しました。
これから1年かけて、4万円を目指して歩むことになります。
世界情勢でいうと、8年続いたイランイラク戦争が停戦した翌月。
ブラックマンデーは1987年10月19日ですから、その前年の出来事でした。

 

ソ連(当時)が起こしたベトナム戦争といわれるアフガニスタン紛争が終結したのは
1989年2月15日です。
「ランボー怒りのアフガン」の時代背景は、このあたりでしょう。

 

ソ連撤退後、後ろ盾をなくしてアフガンは不安定になり、
数々の内紛、クーデターが相次ぎます。
2001年、米国で同時多発テロが起こり、
米国+NATOとアフガニスタンとの紛争が始まります。
アフガニスタン問題は長い事解決できずに今に至っていることをあらためて認知できますね。

 

さて、2回目は、1990年7月です。
バブルがはじけて、急降下を始めた最中の経過点として3万円を上から下に通過した時です。

 

1回目から2回目に至るこの期間は2年弱。
ものすごい勢いで、行って来いをしたことになります。

 

先ほどお見せしたチャートは、誰しもが一度は見たことがあると思います。
失われた30年という言い方もしますね。

 

しかし、この2年弱の期間を、じっくり見ることは今やなかなかありません。
この行って来いの期間を、この部分だけに絞って、見るとこうなります。

 

 

上りと下りの角度がずいぶん違うことがわかります。
ふつうに行って帰ってきたのではなく、ゆっくり行って、
あっという間に転げるように帰ってきた。

 

行き(上り)は約1年、
帰り(下り)は約3カ月です。

 

よく質問も受けることなのですが、下落が怖いので買いに入ることができない
という個人投資家の方に出くわします。

 

急に上がったから急に下がるだろうとか、
昭和のバブルがはじけたように今回も一気にはじけるだろう、
ということを恐怖して投資できないという事だと思います。

 

確かに一つ目のチャートだけで見ると一気に下がっていますが、
日次ベースでよく見ると、3カ月もかかって下げているだけです。

 

この時下げた理由は、日銀や大蔵省(当時)が躍起になってバブルをつぶそうとしたからです。
政策金利は、1989年5月まで2.5%だったのが、あれよあれよという間に
1989年末に4.25%になり、1990春には5.25%になり、夏には6%になったのです。

 

これだけ金利が一気に上がると、債券も株式も暴落するというものです。
不動産バブルがはじけ資産価値はなくなり、景気も一緒になくなってしまいました。

 

でも今の日本は20年にわたってデフレが継続しており、
金利を上げたくても上げられないのです。

 

安心して買い向かうと良いでしょう。

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚