機関投資家やプロ投資家が使う「ルールX」
“運”と“実力”の違いを知っていますか?
過去2回、自己資金におけるトレードサイズの割合を最適化する数式を紹介しました。
特に1つ前の記事は、勝負するべきではない時を見極めるための、
1つの考え方のアウトプットにも使えるポイントに焦点を当ててお伝えしました。
そして、今回お伝えするのは、これまでの2記事の内容と密接な
「運と実力の相違」についてです。
勝負に、トレードに、投資に、勝つには、
「勝負する時は勝負し、負けそうなとき(つまり勝つ期待値が低いとき)は、
最初から勝負しない」
のが理想です。
頭ではわかっていても、できない人が多いのですが、
勝負しない時は、最初から勝負しないのがベストです。
とても簡単な話ですが、その時、その場面では冷静な判断を見極めるのは、
なかなか容易なことではありません。
実際、既に勝負を行っており(投資でいえば、既にエントリーをしてしまった)、
負けが目立ち始めた時になって、ようやく気が付く
(その勝負がやるべきではなかった事に)ことが多いはずです。
負けが目立ち始めた時点でもなお、勝負を続けるのは、
「まだ勝つ見込みが十分ある場合」に限定されます。
しかし、負けている最中にこうした判断ができるようになるには、
冷静沈着になれることが大前提です。
そうしたことを簡単にすませる最も効果的な方法は、
『なんらかの計算をもとに、数字で示された結果』
をみて、判断することでしょう。
勝負している最中にせよ、勝負する前にせよ、進むか?止めるか?
その判断には、「こう思う(または、こうあって欲しい)」という思いこみは
“命取り”になります。
いわゆる、希望的観測(希望する結果が得られるという可能性を信じながら
推測すること)というヤツです。
ですから、「その数字=指標 X」と、「実際の判断 Y」、そして「結果 Z」を
自分の中で整理することが必要です。
≪ 「指標 X」は、あなたの「判断 Y」によって、「結果 Z」をもたらせた ≫
これを多数繰り返すと、経験値が定式化されやすくなります。
Xは、数字です。
多くの場合、指標になるものであり、期待値計算をし
その結果を出すことを伴うでしょう。
Yは、基本的に、Xで機械的に判断できる単純なルールです。
Zは、投資の場合、損得でプラス、もしくはマイナスの数字になります。
XもYも間違えているのに、Zだけはたまたま良かったこと、も時々起こります。
これが、いわゆる『運』です。
しかし、運は『運』でしかありません。
なんども繰り返すと、「指標 X」と「判断 Y」が正しくなければ、
「結果 Z」を良いものにすることができないことがわかってきます。
運ではない勝負とは、XとYを正しくすること。
つまり、それこそが「実力がある」、ということになるわけです。
機関投資家やプロ投資家は、こうしたルールXを使い、過去うまくやれたかどうか、
必ずシミュレーションして、確認してから実際の運用に入ります。
アマチュアトレーダーでこれが出来ている人はまず居ません。
こうした検証をしない…あるいは検証結果をみせることなく、
根拠もないのに「おれ様のやりかたは正しいのだ!」、
という主張のトレーダーや教材をみたら、ほぼ100%の確率で“怪しい”
と受け取ってよいでしょう。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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