大麻合法化からわかる意外な成長企業


 

大麻合法化の背景

 

2020年12月といえば、昨年末ですから、コロナ禍と米大統領選後のすったもんだのニュースで埋め尽くされ、
案外重要なニュースは埋もれてしまったのですが、今後を知るうえで重要なニュースがありました。

 

12月2日、国連麻薬委員会が医療や研究目的の大麻を
国際条約で定められる最も危険は薬物分類から削除する勧告を出した
のです。

 

この委員会では、日本は反対の立場で投票しましたが、
結局賛成多数で委員会で採択されました(賛成27、反対25)。

 

もともと、WHOが削除を勧告していたものです。
WHOは、医療目的で適切に利用することを狙っており、
娯楽目的で緩和を求めたものではないのですが、
多くの国で、娯楽目的の大麻すらも、合法化へ舵を切っています。

 

カナダは2018年に既に嗜好目的での大麻を合法化しています。
細かいルールは州によって異なりますが、
この事情は米国も同じであり、既に米国でも嗜好大麻を合法化した州が13あります。
医療用大麻の販売を認める州は20あります。

 

欧州の中でも大麻に厳しい方向であった英国、ドイツも、
医療大麻に関しては2020年から輸入緩和を始めました。

 

ちなみに、大麻というのはアサの葉を乾燥させたもので、
もともとは雑草なので、生命力の強い草です。

 

英語圏でいうマリファナと同じもの、と考えてよいと思います。
日本では大麻取締法によって厳しく規制されています。

 

ここからが相場の話になります。

 

米国では、大麻が合法化された州で事業ライセンスをとった事業法人が数多くあり、
まだ非上場ですが大麻事業が成立しています。

 

NASDAQでは、大麻が合法化されたカナダの企業は数社上場しています。
(たとえば、CGC,TLRY,APHAなど)

 

2021年4月19日、米下院で、大麻企業が連邦規制の下にある銀行をはじめとする
金融機関を利用することを可能とする法案を圧倒多数で可決しました。

 

今や米国では、大麻が合法化された州においては、
大麻は必需品としてコロナ禍の生活に欠かせないものになろうとしています。

 

大麻産業に投資するETFも上場しました(MSOS)。
既に10億ドルの資金が入っています。
大麻業界に精通したプロが、分散投資を行っているというわけです。

 

日本たばこ(2914)は、配当性向は圧倒的に高く、70%程度ありますが、本年2月に減配を発表しました。
それでも配当利回りは6%程度あり、安定収入をゲットできる株式と言えます。

 

いずれ、日本も大麻が合法化されることがあれば、
この会社は圧倒的な成長を果たすことができます。

 

しばらくは、日本でそんなことは起こらないでしょうが、
こうした世界の中の動きの中から、成長しないと思われた産業や会社が、
成長の芽をもっている、(という見方もできる)、
という例になりましょう。

 

ESG投資という世界の流れがある中で、
それとは別の流れも起きている、ということでもあります。

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚