コロナウイルスにおけるワクチンに関する雑知識
手続き方法と2つの方式と予算予想まで
今後、大阪、東京を中心に、都心の自由会場でワクチンの接種機会が増えてくるようです。
自衛隊を活用するそうですが、それでも、1日1万人というニュースでした。
未だに電話を使って予約するとか、いちいち10分もかけて医者が一人ひとり問診するとか、
相変わらず無駄に多大な時間をかけるみたいですが、
あんなもの、国民IDでloginさせて事前に記入、
問診結果まで出すところまでは、クラウド上で完結できそうなものです。
海外に行く必要がある人にはワクチンパスポートは必携ですから、
ITでギリギリまで効率化し、それを利用できる人優先で、
まずはどんどん先行させる工夫をして欲しいものです。
いずれにしても、これから、普通の生活者である我々もワクチンを打つ番が回ってきます。
この機会に、ワクチンに関する雑知識をまとめてみました。
まず、ワクチンは2つの方式があります。
1つはmRNAです。
これは、今までになかった方式です。
ウィルスの正確な遺伝子の配列を使って、ウィルスが感染したような細胞を作ります(スパイク蛋白) 。
体内を循環する免疫細胞がスパイク蛋白と結合して、細胞穂排除する自然免疫と抗体をつくる獲得免疫として働きます。
従来は、ウィルスを弱体化させたり不活性化させてワクチンを開発してきたのですが5年はかかります。
それが1年でできたのですから、驚異的です。
非常に低い温度で貯蔵する必要があり、費用も高価です。
もう1つは、ウィルスベクターです。
ベクター(vector)は、数学ではベクトルとして方向を持った量という意味で使いますが、
遺伝子の運び屋という意味として使っているようです。
チンパンジーのアデノウィルス(人体に無害な改造ウィルス)を運び屋として利用して
新型コロナ遺伝子を人間の細胞に運ぶと、体内の遺伝子から抗体が作られ免疫ができる仕組みです。
人体がベクターに対する免疫をもってしまうと効かなくなる可能性があるようです。
次に価格です。
ワクチンの一人分の価格、どれくらいになるか、皆さんはご存じでしょうか?
ワクチンの買い入れ価格は、政府と製薬会社の間で調達金額がまとめて契約され、その内容は公表されません。
ただ、米政府が行った契約は昨年7月にロイターなどでニュースされ、
世界に配信されたので、そこから類推することができます。
ファイザーとの契約価格は、1億回分のワクチン、19.5億ドルでした。
1回19.5ドル、一人あたりに換算すると、一人2回行うので、
39ドル、4100円の薬剤であるということになります。
他の会社のワクチンも、目的が同じものであり、効果も大差ない(というよりファイザーの方が優れている)ので、
この1回2000円くらい、一人4000円くらい、というのはリファレンスになると思います。
日本で近いうちに打つことになるだろう4つのワクチンを表にしてみました。
日本の単価ではありますが、注射予算として盛り込んだ費用では、
1回2070円を上限として国が負担することを予算化されています。
これは、接種にかかる人員、会場、器具の経費としての負担金ということになります。
肝心の薬代は別みたいです。
たぶんカネに糸目をつけずに入手しているので公表しないと思いますが、単純化すると、
1回の接種で薬代2000円、そのほか2000円、合計4000円程度のコストがかかるということになります。
実際には、海外からの薬剤の運搬コストも加わりますが、
一回の運搬で大量のヤクを仕入れますから、わずかなもので無視できそうです。
なお、現在の他の定期接種での、厚生労働省が設定している接種単価は、こうなっています。
DPT(ジフテリアなど) 6552円
MR 9382円
日本脳炎 6942円
BCG 7434円
ポリオ 623円
ポリオは集団接種が前提となっているので極端に安いのですが、
これをみると、コロナワクチンは案外リーズナブルであることがわかります。
しかし、日本の人口 1億2500万人(2021年4月1日)全員に打つわけですから、
最低でも5000億円の予算化が必要ということになります。
コロナワクチンに関しては、他のものと異なり、2回打ったり、
毎年打つ必要もある(かもしれない)ので、トータルでは、かなりのコストですね。
来年以降は有料化されるかもしれません。
その時は、1回の注射で完結するJ&Jのワクチンは価格の安さと合わせて、
最も魅力的なワクチンになるでしょう。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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