日本のコロナ対策に思った事

事なかれ主義が足を引っ張る?

 

第3回目の緊急事態宣言が発出されました。

 

これに関して、今回はあれこれ、思いつくままに書きつられてみます。

 

 

この緊急事態宣言は、もう3回目でなじみが深いのですが、歴史は新しいですね。

 

なにしろ、コロナウィルス対策のために特別措置法(特措法)が成立し、
緊急事態宣言のための法的根拠が整ったのは、2020年3月14日(施行)です。

 

その後に緊急事態宣言を初めて出したのが翌4月でした。

 

この法に基づくと、外出や営業の自粛や、
最大3日の期間で特定の地域への立ち入り禁止を設定できます

これは、実はロックダウンとは言いません。

 

欧米では、ロックダウンは、市民の移動や活動、
つまり私権を命令として制限することを指します。
取り締まりや罰金で徹底させることもできます。

 

中国は交通網を止めて軍隊を使った強制力で都市を丸ごと封鎖しました。

 

そこまで徹底しないとしても、欧州、米国でも外出禁止令を発令
警察の強制力を持って徹底させました。

 

日本が、そこまで踏み込んでいないのは、欧米にくらべてウィルスの被害が
圧倒的に小さかったという事とは別次元で、緊急事態宣言には強制力がないためです。

 

憲法には、国家が緊急事態になった際の規定がないからです。

 

この要請に従わない場合、個人には罰則はありません。
従う必要もありません。

 

イベントの主催者や、お店など、多数の者が利用する施設の管理者や開催者には、
要請でも従わない場合は都道府県の知事が指示をすることができます。

 

この指示にも罰則はありませんが、事業者を知事が公表するので、
事実上、指示は強い権限があるとされますが、別に従わなくても良いとも言えます。

 

この特措法には、損率補償について何も規定されていません。

 

あくまで(お願いベースで)要請するのみ、であり、
受け入れた人や業者に補償をする必要はないのです。

 

一方で、土地建物に関しては、所有者の同意を得ないで利用することができます。
即時強制であり、強制力があります。

 

これを使うと、たとえばメッセ会場などを病院ベッド代わりに使えることになります。

 

救急車内でまる1日待たされたり、救急搬送されたが行く当てがなく
家に戻されたというアホな状況を放置しながら、困った困ったという事を繰り返す前に、
もっと知恵を絞れば、あるいは諸外国を参考に、色々できることはあるなずなのですが、
なぜ、こんなにも学習効果がないのでしょうか。

 

これは、お役所の事なかれ主義が関係していると思います。

 

下手に色々やって、責任を取らされたらイヤだから、
なんにもしない、という事です。

 

話しは変わりますが、日本に製薬会社が336社あります。
これは、世界屈指の多さです。
日本市場の大きさは、EU全体の1/2、北米の1/4、かなり大きな市場なのです。

 

製薬会社の売上は、そのまま開発力に比例しますから、
開発力はある、と言って良いと思います。

 

しかし、ワクチン接種に関しては、
世界最下位の集団に入っています。

 

開発では敗北。

 

なぜ、ワクチンを開発できないかというと、
厚生労働省の事なかれ主義でしょう。

 

治験に国は予算を割かないのに、世に出す為には大量の治験データを提出する必要があり、
それに反して治験を簡単に認めない方針を持っているお役所です。

 

そりゃ、開発ができるはずはありません。治験も進むはずがありません。
当然に新薬なんぞ申請できませんね。

 

では、せめて接種で先行できなかったのか。
これは、2つの問題があると思います。

 

一つは、既に海外で実績のあるワクチンでも、
日本人に対しての臨床試験が必要であること。

 

安全重視なのは良い事ですが、今後を考えると、スピード重視対応もできるよう、
政治判断で選択できるように改正すべきでしょう。

 

もう一つは、製造が日本で行われないので、
「恵んでもらう」しか手段がないのに、外交が出遅れてしまったこと。

 

同じく恵んでもらうという点で日本と同じ条件だったイスラエルは、
自国の接種データを製薬会社に渡すことを引き換えに、早々と全国民への接種を達成しました。

 

日本と異なり、多くの重症患者に苦しんでいたので、
政治決断もしやすかったとも思えますが、

 

日本の接種率は世界60位。アフリカ諸国と変わりないのですから、
オリンピック開催国のメンツ丸つぶれとなりました。

 

最後に、案外見直した事実も発見できました。

 

治験が終わってからの、申請し承認までの審査期間です。

 

審査期間に関しては、欧米と比較して劣ってはいません。

 

特に2010年以降をみると、日本はがんばっていますね。
平均8か月で承認されます。

 

 

(医薬産業政策研究所ニュースNo58 日欧米期間比較より)

 

アストラゼネカのワクチンは2021年2月5日に承認申請をしています。
モデルナのワクチンも、3月5日に申請が終わっています。

 

さすがに、今回は平均より早く承認されるでしょうから、
9月頃承認されるでしょう。

 

およよ、、、とっくにオリンピックは終わっていますね。

 

しかも、9月には、米国から恵んでもらったワクチンが大量に届き始めます。

 

大量豊作になり、廃棄をするハメになるかもしれませんね。

 

良い点を挙げて気持ちよく終わりたかったのですが、
なんとなく、虚しさを覚えました。

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚