日銀の点検から考える株価指数の中身
日経平均からTOPIX移行の各企業にとっての意味とは
日銀は3月19日の政策決定会合で、
今後は投資信託を買う時はTOPIX型にすると公表しました。
マスコミのニュースをみると、これしか書いていません。
実際は、日銀のHPでは、かなり詳しい背景説明が書いてあります。
長文だし、わざと?難しく書いてあるので、
大雑把に私なりに意訳しておきます。
(1) 日銀が株式を買うのは、下落時には買い支える心理的な安心もあるから、
民は安心でしょ。だから続けようじゃないか。
ただ、年間予算を12兆円とした大判振る舞いはやめようと思う。
ひとまず、12兆円とか6兆円という予算の数字は廃止する。
(2) 日経平均型ETFを買うのは一部の銘柄だけが得をするよね。
そうした銘柄は、なーんにも努力しないでも親方日銀が買い支えるので
ヘラヘラ甘い汁を吸っているんだ。
不公平だね、だから日経平均を買うのはやめよう。
(3)今後はTOPIX型に特化して、買い支えは継続しようじゃないか。
いずれ売ることになるのだろうしね。
こんなところでしょう。思ったより早く、この日が来たなという感じです。
これで起きた現象は、日経平均のウェイトが高い銘柄の売りです。
当然に日経平均は下がりましたが、19日はTOPIXは上がりました。
さて、日経平均のウェートは、たった5社だけで32%近く占めています。
1ファーストリテイリング 13.05%
2ソフトバンクグループ 7.38%
3東京エレクトロン 5.41%
4ファナック 3.27%
5ダイキン 2,58%
—————————–
合計 31.7%
ちなみに、この5社のTOPIXのウェイトは、合計5%に満たないものです。
TOPIXの上位5社をご覧ください。
この順番イコール、時価総額の順番なので、日本で最も重要な上位5社です。
1トヨタ自 2.99%
2ソフトバンクG 2.55%
3ソニー 2.54%
4キーエンス 2.23%
5任天堂 1.40%
—————————–
合計 11.7%
さて、上位何社で、何%を占めるか、TOPIXとNK225でグラフを作ってみました。
主要なポイントで比較するとこうなります(少数四捨五入)。
NK225 TOPIX
上位4社 30% 5%
上位14社 50% 12%
上位23社 60% 18%
上位53社 80% 31%
日経平均は、採用銘柄225銘柄ですが、
上位53社で既にウェイト合計80%になっていますね。
これは、日経平均3万円のとき、53社だけで80%を占める
=3万x 80% =2万4千円を占めています。
言い換えると、残りの 172社を全部合計しても、
3万円の内の、6千円にしかなっていないということです。
恐ろしいことに、キーエンスも任天堂も、
日経平均には採用されていません。
努力している会社ですね。
なーんにも努力しないでへらへら甘い汁を吸っている会社の株は、
目立って下げてくると思います。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
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