恐怖指数と株式市場への影響について


 

大きく動いた株式市場の背景

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

先週後半、株式市場は最近としては大きく下げて週末を終えました。

 

日本だけではなく、NYも同様の動きでしたね。
恐怖指数として名高いシカゴVIXが大きく上昇したのも下げた理由ですが、
では、なぜVIXが上昇したかと言えば、理由は明確ではありません。

 

ニュース報道では、上がるにしても下げるにしても、
何らかの理由をつけたがっているのですが、
例えば、ワクチンの普及がうまく進んでいないので下げた、とか、
依然としてコロナウィルスが蔓延しており経済への懸念から下げた、とか、
記者の思い入れで理由をつけていました。

 

でも、こうした理由は先週後半に突然発生したものではないので
(理由のひとつにはなるかもしれないけれど)、
それだけが理由で下げたというほどの単純なことでもなさそうです。

 

VIXの推移をみておきましょう。

 

 

VIXが上がったのは、その原資産であるSP500という米国の時価総額型株式指数の、
今後30日間のインプライドボラテリティが上昇したからです。

 

VIXにおけるインプライドボラテリティとは、
今後30日におけるSP500の現在の水準からの予想範囲を示します。

 

SP500の予想範囲は、VIXを√12で割ったものに%という単位をつけると厳密に計算できます。

 

ちょっと、試してみましょう。

 

1月の取引最終日である1月29日のVIXの引け値は33でした。

 

これを√12 で割ると、33 ÷ √12= 9.5 ,%をつけると9.5%です。

 

これは、オプション取引市場が示唆する SP500の今後1か月の幅は、
+- 9.5%ということになります。

 

これはかなり大きな値幅であり、それだけ、起伏が大きくなることを市場は予想した、
つまり、(上にも触れるかもしれないが)下落に触れる危険を感じたので、
VIXが大きくなったのです。

 

VIXがなぜ上がったというと、強いて言えば、相場の勢い、波、のせいであると思います。
相場の勢いがなくなった、あるいは、弱まったということですね。

 

では、これから下がるのか?というと、一つの勢いのある波は終わっただけです。
どうせまた、勢いのある波はすぐきます。

 

-根拠はあるのか?

 

あります。
恐怖指数には、日本や欧州のオプション取引から導かれる日本の恐怖指数、
欧州の恐怖指数もあります。

 

日欧の恐怖指数はあまり影響を受けていないのです。
米国のVIXが急上昇しただけです。

 

 

中央銀行が方針を変えない限り、大勢としては影響ないと見て良いと思います。

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚