電圧の違いで生活は豊かになる?
電気の基本知識と日本の伸びしろ
こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。
昨年の春以降、なかなか、海外に行くことができないのですね。
海外にいくと必ず出くわすのが、電圧の問題です。
プラグの形状はアダプターでなんとかなりますが、、
電圧が違うのには困りますね。
ほとんどの国では、まず200V(から240V)です。
先進国に限らず、多くの国ではコンセントでの末端電圧は200V-240Vが標準です。
さらっと一覧表で確認すると、アジアでは、100Vという寂しい国は日本だけです。
欧州は全て220V、英国は240V。
アフリカも盟主国に同じ。
米国は例外で120Vですが、日本のような100Vという低い電圧は世界的にみて、例がありません。
最近の家電は、100Vでも200Vでも使えるようになっていますが、
今でも、そのままでは使えない家電もありますから、注意が必要ですね。
電圧が低いと、パワーが出ません。
パワーをPとすると、
P=I(電流)xV(電圧)
で表されます。
確か、中学の理科で習うこの式は、21世紀現代人の必須公式になるでしょう。
この式によると、同じパワーを取り出すのに電圧が倍になると、
電流は半分で済むことになります。
そもそも、電気は発電所で作られますが、発電所では、
電圧は55万V(もしくは110万V)で発電されます。
なぜ、発電電圧がこんなに高いかというと、
電圧が高ければ高いほど、送電効率が上がるからです。
送電している電流は、どんどん電気が熱になって逃げるのです.
無駄なので、電流を下げるために電圧を上げる必要があるというわけです。
電圧を下げると電流も多く流す必要があって、電線も巨木のような太さが必要になるので
建設も維持も大変です。
社会全体としては、この送電ロスはエネルギーの壮大な無駄になります。
なので、なるべく高電圧で送電したいのですが、高電圧のまま市街地に運ぶことはできません。
高圧のままでは、事故時に火事や感電が起きやすくなり、危険でもあります。
また、高圧送電では強力な電磁波を伴うため、人体にも影響があります。
なので、いろいろな変電設備で少しづつ落としながら、市街地の電柱では6600Vで送電し、
電柱のトランスで200Vまで落として家に配電します。
え? 家は 100Vしか来ていないよ、という人いますか?
いえ、実は、ほぼ全ての家庭に200Vが来ています。
簡単に説明すると、家では、-100V (コールド側)と+100V (ホット側)の2系統で受けて、
どちらかを100Vとして使っているのです。
2系統を合わせて使うと、-100V と+100Vの差、つまり200Vとして使えるんです。
家においても、家電は100Vより200Vで使う方が効率が上がります。
キッチン家電、エアコン、あるいは衣類乾燥機など熱を作る家電は、
200Vを使うと特に効率が上がります。
100Vのケトルでお湯を沸かすと、10分かかるとします。
200Vでお湯を沸かすと、その半分の時間5分もかかりません。
短時間で一気に沸くので、100Vより効率が上がるんです。
無駄が少ないので電気代も下がります。
電子レンジは、1200Wの出力がでますが、これ一台動かすだけで
100Vでは12Aを超える電流が流れます。
一つのコンセント(アウトレット)の限界は20A、下手すると15Aなので、
電子レンジだけで占有されますね。
同じアウトレットでヘアドライヤーでも使おうものなら、確実にブレーカーが落ちます。
200Vならば、電子レンジを使っても6Aで済みます。
これならドライヤーを使ってもブレーカーが落ちることもありませんね。
電圧が高い方が、電気を効率よく使えるので結果として節電できます。
P(W)=I(A) * V (V)
この電気の知識は、自動車がEV化すると、必須知識になります。
より高電圧でより短時間でチャージする、という事を数式で分かっていると、
チャージ設備を上手に選択できるからです。
自宅の普通充電(100V)でちんたら充電すると4時間かかるとすると、
800Vで充電すると30分で済みます。
しかもケーブルも細いので取り回しが楽です。
エネルギーロスにもなるので二酸化炭素削減にもなります.
大規模な事業によって200Vが普及することを促進してほしいと思います。
コロナでやられた景気の刺激策にもなるでしょう。
このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。
では、また次回をお楽しみに!
マーケットの魔術師 奥村尚
最近のコメント