トルコのマーケットとバックグラウンド


 

エマージェンシー市場でひと稼ぎ

 

こんにちは、マーケットの魔術師 奥村尚です。

 

トルコのニュースというのはあまり日本では報道されません。

 

アジア、アフリカ、欧州それぞれに近く、
その昔は要となっていたのですが、現代ではすっかり影を潜めています。

 

ロシア、イランとも良好な関係を持つ、NATO加盟国です。

 

しかし、EUには加盟していません。
そもそも、1963年には、トルコはEU加盟を前提として
連合協定を結んでいました。
昔から、トルコは加盟を希望していたのです。

 

2004年になってようやく、一定の政治基準を満たしている(コペンハーゲン基準)場合、
EUと加盟交渉を開始するという確認がありましたが、その後、EU加盟への動きは進展していません。

 

2004年には東欧諸国が一気に10か国も加盟したのとは対照的です。

 

精神的に、EUが毛嫌いしているからです。
ドイツとの仲は悪く、ギリシアとは犬猿の仲です。
イスラム圏であること、人口が圧倒的に多く、
EUが飲まれてしまう懸念も大きいはずです。

 

NATO加盟国なのに、武器をロシアから買ったりもしていて、
EUからは、煙たがられています。
NATOの訓練で、仮想敵国の相手側の名前に、
トルコの実在閣僚の名前を使ったことにトルコが怒り、
訓練を途中で離脱したこともありました。

 

文化や価値観をEUと共有できない、ということでしょうね。

 

 

経済はうまくいっていません。
トルコリラは、もう何年もの間、下落し続けています。

 

2014年には1ドル2トルコリラでしたが、今や1ドル8リラです。

 


source:ロイター

 

しかし、つい最近、反転の兆しが出てきました。

 

トルコのエルドリアン大統領が、中央銀行のウィサル総裁を
大統領令でクビにして、代わりにアーバル元財務相が任命された
のです。

 

ウィサル総裁は、前総裁だったチェティンカヤ氏に代わって
(これも大統領がクビにした)総裁になったのが昨年7月ですから、
1年3カ月で交代したことになります。

 

なかなかウィサル総裁は大統領の意に反して、
利上げをしなかったのが理由とされます。

 

これにより、トルコは利上げ期待が高まり、
通貨安の動きは反転しました。

 


source:ロイター

 

これを交換した株式市場も上昇しています。

 


source:ロイター

 

 

いかがでしょうか。
たまには、エマージェンシー市場でひと稼ぎするのも悪くないと思います。

 

このブログではみなさんの資産運用のお役に立てる情報として、
金融、為替(FX)関連のマーケット動向や予測なども随時配信していきますので
次回の記事もご期待下さいね。

 

 

では、また次回をお楽しみに!

 

 

マーケットの魔術師 奥村尚